正答をめぐる冒険

 早いもので今年も残り一か月半。さほど寒く感じない気候のせいか、23時半からなどという狂気染みた勤務シフトのせいか、自分が一体どの季節に生きているのかよく分かっていない。浦安市の空に毎日打ちあがる花火を連想する。あの演目は日替わりなんだろうか。

 自分が成長できているのか心配になる。「入社3年はプライベート無しの覚悟で」などと去年は息巻いていたが、その点は特に構えなくても大丈夫だった。なぜといってプライベートというのは、趣味やら約束やらのある人間の使う言葉だからだ。しかし煙草を吸っている時間がそれに該当するなら、、、言葉遊びが過ぎる。

 現場の業務のことは未だによく分かっていない部分も多いが、そこから先は知らなくても大丈夫と切り分けたり、それに取り組めばすぐ理解できるだろう、と余裕に構えたりしている。慣れ。この人と真面目に会話を始めたら身がもたないから適当に返事しようとか、正直に全貌を伝えてしまったら後々大変なことになるから何とか少ない情報で丸め込もう、などという処世術も身に付きつつある。

 ただ、肝心なSEとしての技術に関して言えば、あまり芳しくない。自分の手癖が本当に効率的なのか、毎日疑わしく思っている。ツールのコーディング一つにしても、自分の知らないどこかに綺麗な正答が隠れている気がして、どことなく恥ずかしい気持ちになる(VBAツールにはコードを見られないように鍵をかける)。なんとか向上心に無気力を追い越させる必要がある。一番の方法は憧れの人物に近づこうとすることだとよく言うが、尊敬する人の一人は周囲に「天才」「魔法使い」と呼ばれ、もう一人は「変態」と呼ばれている。さて俺は魔法使いになりたいので、正答を探しに行かなければならない。